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社会活動

ロケット団が爆笑を巻き起こした後は、【江刺寄席】のプロデューサーでもある三遊亭王楽さんの出番です。藤色の着付に紺の袴が似合っています。
マクラは短く、噺に入りました。甚五郎もののようです。「三井の大黒」かな、と思っていたら違いました。「竹の水仙」です。爆笑漫才の後はしっとりとした落語を聞いてもらう趣向なのでしょう。 そういえば今年の3月の独演会「三遊亭王楽の天狗道場」で、王楽さんはやはり甚五郎ものの「ねずみ」を演っていました。私は「旭亭だより」にその感想を述べた後、次のように記しました。

「こうなったら王楽さんに甚五郎ものすべてを自家薬籠中の演目としてもらい、「王楽独り語り 左甚五郎物語」と題して、三席を同時に、じゃなくて、「竹の水仙」「三井の大黒」「ねずみ」の順に演じてもらいたいですね。」

この要望を、私は王楽さんに話したことがありませんから、たぶん偶然なのでしょうが、「竹の水仙」がここ【江刺寄席】で聞けるのは嬉しいことです。
よくできたこの噺を、王楽さんはクスグリを入れることなく淡々と進めます。客席は静かになり、噺に聞き入っています。大きく頷いている人もいます。

宿の主人が勝手に百両を上乗せし、甚五郎の作った竹の水仙を三百両で売ってくるところが、私の知っているこの噺と違っていました。さらに彼は、水仙の量産を甚五郎に望みます。王楽さんは、主人を計算高い人間として造形したようです。
甚五郎は旅立ち、噺は終わりました。お客さまは粋な古典落語の世界を堪能したようです。

仲入りです。

 

三遊亭王楽

 
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